チップをハンダ付け

 基板の状態がまだおかしい。
 相変わらずキャラクターROMが乱れたりするが、今度はプログラムの実行が止まったり乱れたり。どうやらROMだけでなくCPUや共有メモリーまで接触不良が広がっている。清掃後に何日か経過することで状態が悪化している感じ。
 ここまで不安定が続発すると、もうソケットに刺さっているICをハンダ付けするしかなさそうだ。

 基板上のZ80互換CPUはNECのμPD780C-1 でありこれは超メジャーっぽい。だがさすがに25年後の現在でも同一パッケージで新品が売られてはいないだろうなぁ・・・と期待せず検索。PC-8001 とか PC-6001 に搭載されていたのか。さすがに無理だわ。
 今あるチップを、そのまま使うしかない。

 ソケットの上蓋を取り外し、金メッキが施された受けピンを露出させてそこにICを刺し直す。これはかなりの事件を要する。上蓋に開いている小さな穴がICの足をガイドし、受けピンに導いているのだ。上蓋を除去するとうまく足がピンの位置に合わない。無理に押し込むとピンの外側に刺さってしまう。
 慎重に多数の足の位置をピタリと合わせて押し込まねばならない。そして、全部の足が正確に差し込まれているかどうか確認せねばならない。

 金メッキの受けピンにICの足をハンダ付け。作業が容易とある低温ハンダを使用したにも関わらず、ハンダが流れないケースが多発しかなり苦労する。隣接ICが邪魔になりハンダゴテを適切に押し当てられないことが多い。
 何とか完了させたものの、ハンダ不良が皆無との自信はとてもない。
 しかし、ハンダ付けが失敗していても、もともとハンダ付け無しで働くように作られているソケットだ。うまくハンダが付いた割合に応じて、これまでより信頼性は上がるはず。

 キャラクターの乱れがまだ残っている。
 今度は基板を動作させたままチップを1つずつ指ではじき、画面表示の変化を見る。主犯は15番のROMのようだ。

 足はピカピカに清掃済みだし、ソケットも金メッキの輝きを放っている。それなのに、このROMを弾くと表示が正常に戻るのだ。ただ、ソケットの白いプラスチック部分に黄色い汚れがかなり付いている。基板がゲーセンで当時どんな状態で使用されていたか分からないが、悪かったのかもしれない。

 ソケットの数は多く、ハンダ付け作業は大変な時間を要する。とても全部やってられないので、3つのCPU以外では特に挙動の怪しい2つのROMを含む11番から15番までの5個だけを処置。

 これらのROM接触不良は、起動時のROMチェックでは引っ掛からないのだ。よっぽど酷いものだけ弾かれるのだろう。起動時自己診断はアテにならない!ROMチェックを通ってもROMの接触不良はあり得る。

 接触不良はこれで打ち止めだった。基板は安定して動作し、表示も乱れなくなった。教訓として、ソケットに刺さっているICは接触不良を疑え徹底的に清掃せよ!起動時ROMチェックやRAMチェックを通っても安心するな!
 もちろん、折れた足や腐っている足を見落とさないように。

 

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