チップの足を清掃

 

 妙な点がある。それは、チップの汚れ方に偏りがあることだ。

 同じような白いICソケットに刺さっているが、足の露出している部分が比較的綺麗なものと黒く酷く汚れているものの2通りがある。そして中間が無い。もしかすると、製作後に交換されたチップがあるのかもしれない。
 しかし、だとしても綺麗さが違い過ぎる。製作から10年15年も経ってから交換する状況は想像し難いから、綺麗なものがここまで綺麗だってのは不思議だ。

 汚れの酷い方のチップをソケットから引き抜いてみる。

 ソケットに埋まっている部分はそこまで汚れていないように見えるが、実際に洗浄してみるとかなり怪しい。家庭用ゲーム機のカセット端子もそうだが、てきめんに接触不良を起こしセーブデータ消滅等の主因となっている。
 見た目綺麗なチップも含め、ソケットに刺さっているものは全部一度引き抜いて端子をクリーニングすべきだ。清掃は手間暇掛かるし数は多いのだが、今日明日のうちに急いで完動させねばならないモノではない。

 ソケットの側は、端子が金メッキされている。となれば25年程度では殆ど劣化しないはずで、こっちは接触不良の原因とならないだろう。ソケット側の端子を適切に清掃するのは物理的に非常に困難であるから、金メッキされていたのは嬉しい誤算。

 古いICの場合、劣化した足が腐食していたり酷いと切れたりすることもある。そんなことが無いかどうかを確認するためにも、ソケット式のICは一度全部抜いてみる必要がある。かなり時間が掛かりそうだ。

 ソケットに刺さっているチップを一気に引き抜いて、片っ端から足を清掃する。
 綿棒にクリーニング液を付けてこする。はっきりと汚れが付くものと、一見モトから綺麗なものが混じっている。
 ソケットは例外無しにすべてが金メッキされている。ゲーセンの場合、ROM交換は想定の範囲内だからソケットは必然。また、接触不良によるトラブルが発生すればメンテナンスの手間も大変だから金メッキをケチるべきではないということなのだろう。

 そもそも中古基板として流通している状態ではそれほど高価じゃないが、新品でゲーセンに置かれていた時は10万円単位だったはず。

 綿棒を足に押し付けることで、折れている足も発見出来る。
 見た目は正常だが腐食により朽ち落ち掛けていることがある。そんなヤバい足が発見出来る。
 無事な足も相当に汚れが酷く、現役時代の環境が悪かったと想像される。

 ここまで足が汚れていると、再利用でハンダ付けし直すのは難しい。そこで類似サイズのジャンクICから足を調達。
 オリジナル側の足の根元はカッターナイフで削って地金を露出させる。

 かなり根元から折れているため、しっかりと熱を与えるのが難しい。加熱不足だとハンダ付け不良を起こし、振動などで知らないうちに分離→接触不良ということがある。
 そこで、融点165度の低温ハンダを使用し、確実にハンダを流してくっつける。

 ソケット式ICの清掃が完了したので、2枚の基板を元通りに合体させる。
 両者を接続するリボンケーブルを念入りに清掃。これも、オス側が金メッキされているのは助かる。基板はこういうところに手を抜かず製作されている。

 

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