レーザーから自分の目を守る

 レーザーが目を直撃すると失明の危険がある。規制適合の1ミリワット未満のレーザーポインターなら失明の可能性は低いが、ハイパワー品を扱うと危険性は飛躍的に高まる。そして極めて重要なことに、誰かをレーザーで失明させる危険と同様に自分を失明させてしまう危険もあるのだ。
 レーザーの危険性を承知していても、予想外の鏡面反射を食らって自爆することもある。
 更に、赤外線レーザーという厄介者が存在する。趣味のレーザーで扱う機会の多い赤外線LDやYAGレーザーは、肉眼では見えないか非常に暗くしか見えない。そのためうっかり目に入っても気付かないことがある。実際、イタズラではなく大学等における事故となると、YAGレーザーが圧倒的に多いという話もある。光線が見えなくてもダメージは食らう。

 そこで、レーザーから目を保護するためにレーザーゴーグルの出番だが、それはそれで制約がある。可視光レーザーの場合、完全にレーザーが見えなくなると作業性も大幅に悪化する。光軸調整等が非常にやり難くなる。また、YAGレーザーなどはゴーグル着用の有無によらず見えないため、これまた調整が大変だ。
 それらの問題を解決する最強兵器。それが赤外線ビデオとヘッドマウントディスプレイのコンビである。

 今やビデオと言えば100%デジタル製品となってしまった感がある。
 これはハイ8末期の製品。ごつくてでかい SONY の DCR-TRV300 だ。赤外線撮影モードである NIGHTSHOT を備えているのが手持ちのビデオではコレしかないので使用。

 NIGHTSHOT モードにすると赤外線LEDが照射されるが、今回の使用目的には邪魔なので、照射口をガムテープで塞いで使う。
 使い勝手という点ではCCDカメラを頭に着けるのがベストなので、そのうち小型の赤外線CCDカメラを入手してみたい。問題はそういうモノを買おうとすると妙な誤解されるかもしれないって点だな(汗)

 通常モードでワイヤレスヘッドホンの送信機を撮影。
 4対の赤外線LEDが輝いている。
 通常状態でも肉眼より赤外線の感度が高いようで、肉眼より遙かに明るく見える。

 NIGHTSHOT モードに切り替えると、赤外線LEDが強烈な輝きを放つ!
 これを使えば、赤外線レーザーも見えるため、作業がし易い。

 そしてビデオ出力をHMDに接続すれば、目はバッチリ保護される。
 ワット級レーザーが直撃しても平気だ。
 しかし、HMD周囲には隙間があり、外界が見えるようになっている。YAGレーザーの調整などの危険作業を行う場合は、完全にシールドした方が良い。

 HMDはオリンパスの EYE-TREK FMD-700 であり、72万画素と十分な視認性がある。
 ラジコン用バッテリーで使えるよう改造済みだ。

 これは z-bolt のハンディーレーザーに使用されている赤外線レーザーヘッドである。
 波長 808nm なので肉眼には薄暗い赤が見えるだけである。

 ナイトビジョンで見ると、強烈な光が出ているのが分かる。
 半導体レーザーはレンズで集光しない限り、かなり広がった光を出す。広がる光の軌跡が輝いているのまで捉えられている。この赤外線レーザーは推定500ミリワットの超強力なもので、とんでもなく危険だ。肉眼では非常に暗いだけに危険が更に増している。

 半導体レーザーチップ本体のどこかに反射しているのか、側面にもかなり強烈なレーザーが放出されている。肉眼では気付かない。
 スペックシートだけ見ていると、この角度にレーザーが出ていることは分からない。

 左下から側面レーザーが自分の目に迫る。直撃すればカメラ視野は真っ白になる。
 もし肉眼だったら?
 500ミリワットのレーザーである。
 この角度なら安全だと思ってしまうような位置だけに、一巻の終わりになりかねない。

 改造レーザーやハンドメイドレーザーでは、更に強力な目に見えないレーザーも扱う。そして、スペックシートでは出ていないはずの角度にレーザーが飛んでいることもあるのだ!
 気付かないうちに失明しないよう、準備はしっかり整えよう。カネがないから準備出来ね〜よってなら、危険なレーザーは扱わないようにすべきだ。目が見えなくなってから後悔しても遅い。

 ところが、レーザーを扱う機会が増えると、ビデオやHMDの解像度の低さも気になる。視界が限定されるのも結構使い勝手が悪い。かくして「最終」兵器は修正され、レーザーゴーグルを装着した状態でビデオカメラの液晶モニターを見るという運用に落ち着いた。レーザー以外はゴーグルを通して肉眼で確認し、レーザーはビデオで確認するのだ。

 オレンジはグリーンレーザー用のゴーグル。180〜532nmでOD6すなわち100万分の1に減衰させる。ブルーやエキシマなども防護可能。こいつでグリーンレーザーを見ると、着弾点だけがオレンジの地味な光点として確認できるため、非常に使い勝手が良い。ビデオ併用がほぼ不要。

 ブルーは赤外線レーザー用のゴーグル。808nmや1064nmをほぼ完全にシャットアウトする。これらのレーザーは超高出力のものも多いせいか、オレンジに比べるとがっちりした作りで、フィルターの周囲は金属製の枠でガードされている。これを装着しナイトショットと組み合わせると安心して赤外線レーザーを扱える。
 633nmのヘリウムネオンはOD1.8すなわち63分の1になるだけである。

 この場合、レーザーゴーグルではグリーンと赤外線を同時に防護できない点に注意せねばならない。グリーンYAGなど両者が同時に発生する環境で完璧を期するなら、やはりHMDの登場となる。

 

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