足回りの改造

 

 全備重量が恐らく7キロ程度になる改造王虎では、足回りの強化も必須である。足回りをオリジナルのまま組み立てたのではサスが重量に耐えられずひしゃげてしまうのは避けられない。
 また、屋外でガンガン走らせると衝撃を吸収することも出来ないだろう。
 安心していろいろなギミックを搭載するためには、駆動系と共に足回りもしっかりしていないと砂上の楼閣となる。
 強化だけでなく防水防塵対策も必要。防水と言っても水溜まりに突っ込んで遊ぼうとか考えているのではない。何かのトラブルで水溜まりに突っ込んだ程度で壊れて欲しくないし、水滴がかかった程度でもトラブルになって欲しくない。保険の意味が大きい。
 それに、実際には水溜まりを走らせたりしなくても、水溜まりを走れる潜在能力があればオーナーとしての満足感が得られる。
 また、防水対策を行っておけば、自然に防塵対策になる。こっちは現実の問題である。戦車だからオフロードをバリバリ走らせないと面白くないが、そうなると必然的に埃が問題となる。幾ら面白いギミックを組み込んでも、それらが埃に脅かされるのでは大変である。
 オリジナルのままでは防水防塵は弱く、とても安心してオフロードを走らせられない。

 

強化サスペンション

 強化サスペンション用のパーツ。ここには映っていないが、内径6ミリのシリコンチューブを1センチ半ほどの長さに切ったものも用意する。
 銀色の板がオリジナルのトーションバー。黒い板は幅5ミリで厚さ0.3ミリの焼き入れリボン。これを銀色のと同じ長さに切って重ね合わせてトーションバーとして使用する。
 これによってバネの力が強くなると同時に遊びも無くなり、サスペンションが非常に固くなる。つまりずっと大きな車体重量に対応する。
 オリジナルのサスペンションハウジングには外径10ミリの真鍮パイプを接着してある。これは防水加工用である。
 
サスパーツ
防水トーションバ  サスペンションハウジングと車体の隙間から漏水しないよう、セメダインスーパーXを塗ってネジ止めした。
 やはり防水対策として、本来はネジ緩み止め剤を塗る場所にもやはりスーパーXを使用している。
 写真では分かり難いが、サスペンションハウジングに接着した真鍮パイプの中にはすっぽりとシリコンチューブが収まっている。その中にサスペンションアームが通り、隙間にはグリスが充填されている。
 グリスは耐熱耐水潤滑防錆の万能タイプ。容器を逆さにしても落ちて来ない高粘度のものである。長期耐久性を唄うだけあり、手に付くと石鹸を使っても洗い流すのに苦労する。
 ずっと水溜まりの中を走っていたら問題あるかもしれないが、ちょっと水がかかった程度で浸水することはないはず。もちろん埃はシャットアウト!
サスペンション全景
 サスペンションを組み込んだ全景。
 金色に輝く真鍮パイプが良い感じ。強化されたトーションバーはオリジナル比で3倍以上固く感じる。ちょっと固くし過ぎたかなと心配になるほど固い。
 組み立てるのはオリジナルとは比較にならないほど大変だった。2枚重ねの遊び皆無のトーションバーをトーションバーステーに通すのは大変だし、グリスアップで手はべとべとになるし。作業中にトーションバーで指先を切ってしまった (;_;)
 下のダンパーの写真ではまだ付いていないが、アイドラーアーム同様にロードホイールのサスペンションアームの根元にもOリングをセットした。

 

ダンパー

ダンパー  実車には4隅のサスペンションアームにダンパーが付いている。そこで、模型版も4隅のダンパーを再現・・・なんて書くと、オリジナルと形が違うじゃないか!と言われそう(汗)
 しかし、このダンパーって実際には転輪に隠れて見えない。だからこそRC版はもちろんディスプレイ版のキングタイガーでも再現されていないのである。
 見えないものをなぜ付けるかと言えば、別にディテールアップのためではない。実車と同じ理由である。実車と同じ機能が欲しいのであって、同じ形が欲しいのではないって次第。
 これが、動く模型の大切なポイント。実車と同じ形のパーツが付いていることではなく、実車と同じ働きのパーツが付いていることが、オーナーであることの喜びを与えてくれるのである。
 もちろん、見える部分のパーツは同じ形であるに越したことがないのは、言うまでもない。
 実車では4隅のトーションバーには車体内部にクルマのと似た形のダンパーが装着され、車体外部のダンパーはストッパーに近い。しかし、模型版の場合、ギアボックスが邪魔になって車体内部にダンパーを仕込めない。
 そこで、車体外部のダンパーにダンパーとストッパーの役割を共用させようとした。そのためにバネを使用してあれこれ試作したが、どうもうまくない。車体外部のダンパーは実車もそうだが小さくないとキャタピラに干渉してしまう。
 小さくて役に立つには、どういうダンパーにすれば良いのか悩んだ末に、この形になった。8ミリ角のアルミ棒を約2センチの長さに切断し、接着&ネジ止めした。これだけだと横長だが実車とほぼ同じ位置と形である。
 更に、ゼリーのように柔らかな特殊ゴムを接着してある。
 非常にシンプルだが、これに決定する裏には長い試行錯誤と試作パーツ購入があり、見た目からは想像できないほどのコストがかかっている。改造ってのは手間と暇と金がかかるのである。
 しかし、誰もやっていないことに挑戦するってのは、それらのコストを払っても引き合うほどの興奮がある。出来ると分かってることをやっても・・・面白くないじゃないの!

アイドラーホイール

 テンションドラムにはグリスを充填し、アイドラーアームを差し込んだ上下のスリットを塞ぐ。見ての通り下側のスリットは厚さ0.3ミリのアルミ板をエポキシで接着して完全に塞いだが、上のスリットはアルミテープを貼り付けただけである。
 追加のグリスアップが必要になった場合、このアルミテープを剥がして充填出来るようにするためである。その分密閉度が下がり、アイドラーアームにOリングをハメてあるにも関わらず、僅かに隙間が出来ている。
 しかしこの程度であれば、長時間水に浸かっていればグリスが僅かに溶け出すかもしれないが、ちょっと水に浸かった程度ではまず問題はない。
 防水加工はあくまでも保険であり、実際に走らせる場合に水溜まりを横切って遊ぶつもりはない。操縦ミスして水に浸かっても内部メカを守るための防水なので、この程度で十分に目的は達せられる。
 
アイドラーアーム
テンションドラム  テンションドラムには両面テープでゴムを貼り付けた。
 テンションで締め付けてもすぐに緩んで閉口したからである。これならばまず緩むことはない。
 テンションドラム内部には防水防塵対策としてグリスが充填されている。

 

スプロケットホイール

起動輪シャフト 起動輪シャフト受け
 4chラジコン王虎の起動輪と、ディスプレイ版王虎の起動輪シャフト。ディスプレイ版の方が差し込み部分が長いことが分かる。この長いシャフトを使用する。
 また、ディスプレイ版のシャフトの方が太いので削って細くした。
 ラジコン版には無くディスプレイ版にあるパーツが、起動輪のシャフト受けである。ラジコン版ではギアボックスがシャフトを受けるが、ディスプレイ版には当然ギアボックスなんぞないからである。
 このシャフト受けが防水防塵加工に役立つため、短くカットして使用する。
 こんな感じで組み込んだ。
 ディスプレイ版のシャフト受けをエポキシでしっかり接着&防水。周辺の隙間も全部エポキシでシールドしてある。
 シャフト受けは当然グリスアップ。
 牽引フックの溝が見苦しいのでパテで埋めてある。
起動輪シャフト

 

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