ギアボックスの改造

 

 究極タイガー製作では、ギアボックスに2つの問題が発生する。
 1つは重量増加によってギアやモーターの負担がアップすること。もう1つはDMDユニット使用するとなると2モーター方式でないといけないこと。
 タミヤから発売されるDMDキングタイガーは2チャンネルであり、砲塔旋回やフラッシュ機構を省くため旧キングタイガーよりかなり軽くなる。このため、モーターは380を2つ使用した上でギアボックスをフルベアリング仕様にすることで乗り切るらしい。
 しかし改造虎は旧キングタイガーより確実に重くなる。モーターは540を2つ使うしかない。それだけではなく、可能ならばギア比も高くしたい。
 このため、ギアボックスを改造しなくてはならない。改造には、4チャンネル版キングタイガーのものをベースとして使用する。

 

初段ギアの製作

 4チャンネル版キングタイガーのギアボックスでは初段(モーターに接触しているギアの組)には48ピッチでモーター側15T、ベベルギアが64Tとなっている。つまり減速比は64/15である。
 540モーターにセットするギアとしてはタミヤから12Tのものが出ており、これが恐らく最小歯数である。ちなみに入手は極端に困難で、運が良くないと無理だろう。しかも、苦労して入手してもそれに合うベベルギアが無いのだ。
 同じ48ピッチでもキングタイガーのは谷が深く、市販のレーシングカー用のベベルギアは微妙に噛み合わない。つまり、オリジナルの64Tベベルギアと組み合わせるしかなく、減速比は64/12までしか上がらない。オリジナルの25%トルクアップだから効果はあるが、不足である。
 そこで、ヨコモや京商から出ているレーシングカー用の13Tを使うことにした。これなら比較的入手し易いし、ベベルギアも幾らでも売っている。48ピッチでは96Tまであるが、これだとサイズがでか過ぎてモーターの位置が高くなり過ぎ、キングタイガーの筐体に収まらないと判断された。
 結局、87Tに決定。筐体に収まるギリギリ最大サイズだし、96Tに比べて入手は容易である。
 これでギア比は 87/13 なので、オリジナルの57%トルクアップ。使い物になりそうだ。
 ついでに4チャンネル版ギアボックスをフルベアリング化!
 540は380に比べると消費電流とトルクが共に2倍なので、380を2基使うDMD版M4シャーマンやキングタイガーと比較すれば3倍以上のトルクを発生させられる。想定重量7キロの究極キングタイガーも楽に駆動させられるだろう。

プーリーの加工 ベベルギアのセット

 東急ハンズで直径4センチのアルミ製プーリーを購入。中心軸は4ミリ。
 この周囲を切り取って、ディスク付きストッパーとして使う。写真では片側だけ切り落としたように見えるが、実際はもう一方も削り取った。そして、ベベルギア固定用の3ミリネジを立てるために穴を開けた。
 48ピッチ87Tのベベルギアは何種類か市販されているが、強度上から穴の少ないものを使用。プーリーのストッパー部分にハマるようリーマーで少し中心の穴を広げた。
 これを加工済みプーリーにハメ込んでネジで固定する。

 完成したベベルギア2枚 ベベルギア ベベルギア改

 

中間ギアの加工

 直径7ミリの穴を空けられる金工用ミニホールソーを用意。
 この先端に外径4ミリの真鍮パイプがピッタリとハマる。
 そのパイプにオリジナルの中間ギアを差し込む。そしてベアリング用の穴を開ける。
ミニホールソー こうやって使う
ベアリング穴を開けた  ちょっと見ると旋盤でも使わないと開けられないようなベアリング穴だが、ハンドドリルを数分回せば簡単に加工出来る。
 ここに内径4ミリ外径7ミリのベアリングを取り付ける。一部は内径5ミリである。
 動輪がハマる部分には内径7ミリのベアリング。
 奥は内径5ミリ。これに最終段ギアがセッチされる。
 一番大きな力がかかるだけにベアリングの効果は大きい。
 実は動輪のシャフトは7ミリより僅かに太いので、シャフトをヤスリで削った。
剛性アップ  ホイール側のギアボックスを組み立てる。
 動輪が入る部分は最も大きな力が加わるため、L字金具を入れて剛性をアップしてある。動輪を止めようとする抵抗が働くとギアボックスには非常に大きな変形力が働く。これを厚さ2ミリのステンレススチールで防止する。とんでもない荒れ地をガンガン走らせたいので耐久性アップは必須。
 回転方向を90度変えるためのギアにはスラストベアリングをセット。更に、ワッシャーを入れたりスペーサーを切断したりして丁寧にシム調整を行っている。
 シム調整(ギアの噛み合わせ調整)はギアボックスの性能に決定的に効いて来る。フルベアリング化しても調整がいいかげんでは無意味となる。
 また、ギアボックスが負荷で変形したのでは、これまた調整した意味がない。

 

ギアボックスの加工

フルベアリング  本来は中央に540が1つセットされているが、その両脇にシャフトが付いている。このシャフトを両端に移動して540を2つセットするための空間を確保する。
 フルベアリング化とシム調整により、オリジナルとは比較にならないほど滑らかに動く。無負荷であればモーターの接する初段ギアに1グラムの力を加えればギアが回転する。
 起動輪のシャフトを指でつまんで軽く回すことも出来る。
 ギアボックスの2つの部分がオリジナルと異なり3ミリほど離してあるのに注目。オリジナルでは2つの白いギアがフレームに擦れて大きな回転抵抗になっていたためである。
 ギアボックスにはツインモーター用の切り欠きを作り、ピアノ線をエポキシで接着して強化した。

 

 モーターにスパーギア、シャフトにベベルギアをセットし、真上から見たところ。
 ベベルギアは2つを逆に取り付けて干渉を防ぐ。ネジ等が特にモーター側と干渉するのを防ぐため、ネジの使い方を変えてある。
 とにかく物理的にこれ以上は苦しいという限界ギリギリの歯数を持つベベルギアを使用した。
完成図  完成状態を斜めから見る。
 ベベルギアの付いているシャフトはオリジナルよりカットしてあるので、オリジナルのギアボックスと交換すると砲塔周辺の空間が広く取れる。
 これと上の写真は旧ギアボックスのもの。
 新ギアボックスは最終段階までモーターを実装しないつもり。モーターの下に使える空間があるので、ここに適当なものを格納したい.今後の改造次第で何を収めるかは不明。
 モーターは消耗品である。少なくともメンテが必要なパーツである。しかしオリジナルのギアボックスには、モーターを交換するのが大変だという大きな問題があった。
 この改造ギアボックスではモーター交換は容易である。

 

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