補助DC-DCコンバーターの製作

 最近は白色LEDが大流行している。そこで、LEDドライバーもいろいろ売られている。それらは超小型であり、小電流でいいが超小型の昇圧インバーターが欲しい場合に非常に役立つ。
 ただし、LEDドライバーの多くは定電流出力となっており、定電圧出力を得たい場合は改造が必要となる。

 

定電流インバーターの構造

 回路に流れる電流の大きさを知るには、どうすれば良いか?
 殆どの機器では、回路に直列に挿入された抵抗を利用している。抵抗に電流を流した上で、抵抗両端の電位差を測定する。すると、基本的なオームの法則をもとに、(電流)=(電位差)÷(抵抗値) で計算可能となる。

 出力端子とSENSE端子の間に、駆動対象の負荷を接続する。そこに流れたのと同じ電流が電流検出抵抗R4にも流れる。R4の一端はGNDに接続されているため、SENSE端子の電位を測定すれば電流値が分かる。
 インバーターはSENSE端子の電圧が一定になるように制御を行う。電圧が高ければ電流が流れ過ぎと判断し、出力電圧を下げる。電圧が低ければ電流が不足と判断し、出力電圧を上げる。

 

定電圧インバーターに改造する方法

 ・・・となれば改造方法は自明だ。
 R4を取り外し、分圧抵抗R1とR2を取り付ける。駆動対象の負荷は、出力端子とGNDの間に接続する。
 無改造状態でSENSE端子の電位を測定しておき、出力したい電圧においてSENSE端子の電圧がその値になるよう、R1とR2の値を決める。実際には半固定抵抗1個を用意すれば良い。

 出力端子とSENSE端子はトリセツ見れば自明。後は、SENSE端子に一端が接続されている抵抗の中からR4を探し出す。

 千石電商で見つけたLEDドライバー。僅か7ミリ角に凝縮されている。SENSE端子の電位1Vで、約20ミリアンペアの定電流を得るためにR4として51Ωのチップ抵抗が搭載されている。
 右は100KΩの半固定抵抗。多回転タイプを使用しないと電圧の調整が難しい。

 チップ抵抗を除去し、半固定抵抗を取り付ける。
 長さ1センチの電源出来上がり!

 元のインバーターは昇圧型であり、バッテリー電圧より高い電圧しか出力出来ない。6Vを得られれば充分なのだが、ニッケル水素電池を充電したばかりの電圧は5.6V程度ある。出力電圧との差が小さいと昇圧に失敗し、電池電圧がそのまま出力されることがある。
 そこで、出力電圧が6.6Vとなるよう半固定抵抗を調整した。

 出力3V以下から6V弱に至るまで、安定して6.6Vが得られるようになった。

 

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